『金曜日の別荘で』という映画を観た。原作者のモラヴィアの自叙伝ということだけど、何ともはやという映画だった。観終わって居心地が悪く、人と目を合わさないようにして映画館を出るといった感じ。もう少し内容を把握してから来るべきだったのだ。それでも出演者の着るアルマーニは素敵、インテリアは最高、ヒロインは抜群のプロポーションとお膳立てには酔わされる。そのヒロイン、ベロニカというイタリアの女優さんの美しさは並のものではなくて、アルマーニの服はこの人達のためにあるのだわ、と自虐的になってしまう。アルマーニに限らず、これだけ美しいとどんな服だって安心できる範躊に入ってしまうだろう。赤い肩出しのミニドレスに赤い布のパンプス、そうかと思えばメンズっぽいパンツにファーマーシャツとニットのベスト姿も色っぽい。自虐的に弱り果てた私も何日がした後、あんなふうに着こなしたい、あんなニットのベストも欲しい、赤は無理だとしても、少しはきれいな色のものも着てみたい、と自分を近づける。自分でいうのも何だけど健気で立派だ。結局、安心できる服を増やしたければ、内面も外面も磨くこと、輝いている自信のある身体と気持ちが必要なのでしょう。プロポーションがそれ程でなくても、堂々と服が素敵に似合う人がいる。きっと自分に自信があって安心して服を着ている結果なのだと思う。必ずしも完璧に美しい人が魅力的だ、という定義はないのだもの。