また、著作権法の改正も必要でした。それまでの著作権法の定義では、TIPマルチキャストはVODのようなネット配信と見なされ、前述のとおり複雑で手間のかかる権利処理が必要だったのです。「ドラマをネットで利用するためには、電話やファクスで許諾を取らなければならない先は100ヶ所ではきかない」という在京キー局の幹部の発言を思い出してください。地デジの再送信を行うためにすべての番組でこれをやるのは、非現実的な話です。そこで、NHKや在京キー局。毎日放送。東海テレビなどが、再送信に同意するためのガイドラインを作る「地上デジタル放送補完再送信審査会」を2006年10月に設立し、2007年1月には、改正された著作権法が施行されました。これらの環境整備を経て、NTTが試験運用中の「NGN(NextGenerationNetwork/次世代電話網)で地デジ再送信の試験が始まったのです。ここの終わりあたりでも触れたように、NGNは今のインターネットとは異なり、NTTがすべてを管理するネットワークです。権利者や放送事業者にとって、「管理者がいる」という状態は自分達のコンテンツを安心して出せることを意味します。すべてをコントロール可能なネットワークであれば、不正利用などがあった場合、直ちに対処できるからです。
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